進路をひらく学力づくり

進路をひらく学力づくり

1,760(税込)

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 「新しい学力観」「ゆとり教育」「個性を伸ばす教育」「特色ある学校」など、コロコロ変わって、でもちっとも成果が出せない日本の公教育。現場は振り回され、疲れきっています。悪循環が起こっています。それは、子どもや学力や教育についての無理解と誤解があり、詭弁に踊らされているからです。本書は、それらに「だれにでもできる平凡な方法」で挑み、確かな成果を上げた取り組みをまとめたものです。しかも、公立の中学校の実践です。小学校の取り組みについては、さまざな本が出ています。しかし、大いなる矛盾のなかで苦しんでいる状況は、むしろ中学校のほうが深刻なのです。そこに一石を投じる本、うつ病寸前の教師や「できない教師」ではないかと悩んでいる教師にとって、ほっとする本です。

本体価格:1600円+税/256頁/四六判、並製

著者:下末伸正 著

目次:第1章 どの子の学力も伸びる中学校  1 毎日わずか15分の「基礎学力を育てる時間」      2 基礎学力を育て父母の信頼を得る    3 学級通信で父母に子どもの姿を伝える  4 「私らは優秀だったんよねぇ」    5 過疎の小さな学校でも伸びた  ●「古い学力観」「古い形の授業」でいい/勉強をとおして信頼を育てる  6 新入生には九九とひらがなとカタカナを  ●ひらがなとカタカナに弱い中学生/九九の練習を喜んでする中学生たち  第2章 基礎学力を育てる5つの柱  1 気楽にする  ●がんばると見失うものがある/敷居を低くする 2 気長にする  ●成長のしかたは子どもによって違う/勉強の方法を間違えると伸びない 3 毎日続ける   4 子どもの気持ちを大切にする  5 目標は低いほうがいい  ●目標は実現しなくては意味がない/ほめると伸びる/ちやほやしない   第3章 基礎学力を育てる5つのポイント   1 勉強するのは班ではなくあくまで個人  ●辞書を引いたり、資料を調べたりしない/班学習だけでは自立できない  2 習熟度別授業などはしない  ●個性は一斉授業でこそ光る/学級全体で学ぶ雰囲気をつくる  3 欠点を集める学校と長所を集める学校  ●「できない教師」が基礎学力を育てた/「できない教師」ばかりの職員室  4 基礎学力が高まるとクラブ活動も活発になる  5 現実に即して経験を変えていく  ●楽をして効率よく/先を考えてゆっくり、ぼちぼちと  第4章 基礎学力を低める6つの誤解  ●創造的な人間は完全か  ●勉強は目標実現のための道具か  ●九九は覚えなくてもいいか  ●知識の注入は必要ないか  ●一斉授業では子どもは伸びないか  ●競争は子どもの学力と個性を育てるか 

下末伸正:1950年生まれ。山口大学文理学部理学科卒。現在、広島の公立中学校教員。科学教育研究協議会員・男女平等をすすめる教育全国ネットワーク会員・お産ネットワークえひめ会員。著書に『時間をかけずに楽しくのりきる「総合的な学習の時間」』(子どもの未来社)、共著書に『両性の平等と学校教育』(東研出版)などがある。