『あけもどろの空』 ちびっこヨキの沖縄戦

『あけもどろの空』 ちびっこヨキの沖縄戦

1,650(税込)

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平和に暮らしていたヨキの一家におそいかかってきたイクサ。6歳の少女ヨキの実体験をもとに恐ろしい戦争に耐えて生きのびる、やさしさに満ちた家族の愛を描く物語。
■本書の刊行について 『あけもどろの空 ちびっこヨキの沖縄戦』刊行発起人代表 高柳美知子 本書は、恐ろしい戦争に耐えて生きのびる家族の、やさしさに満ちた物語です。 内容は、著者の母ヨキさんの六歳当時の記憶を忠実になぞっており、悲しみも喜びも、少女のあどけない心にきざまれたそのままを描いています。 タイトルの「あけもどろ」とは、太陽が東の空を染め始める空をあらわす沖縄の言葉で、太古から地上の命をはげまし続けてきたその荘厳な光景は、本書のテーマにふさわしいものです。著者・高柳杉子は、一九六五年、沖縄で生まれました。沖縄戦を六歳で体験した両親を持ち、中学校の教員を務めたこともあり、沖縄戦を子どもたちに伝えることに熱意を持って、本書を準備していました。しかし、こころざし半ばにして病に倒れ、二〇〇九年八月、帰らぬ人となりました。本書は、そのこころざしを親族と友人で引き継いで完成したものです。

本体価格:1500円+税/108頁/A5判・並製

著者:高柳杉子(著)

目次:あけもどろの空---ちびっこヨキの沖縄戦
沖縄戦とは-ちびっこヨキが見なかった沖縄戦と、その後の沖縄
ふたつの時代を“子ども”で生きて

高柳杉子:1965(昭和40)年、本土返還前の沖縄に生まれる。立正大学文学部文学科卒。大学卒業後、故郷の沖縄で国語教師として5年間勤務の後、結婚のため北海道へ渡る。2009(平成21)年、8月、がんのため死去。享年44歳。故郷は、沖縄戦で、村民の半数以上もの犠牲者を出した南部有数の激戦地で、杉子の祖父、父、母も同村出身。祖父は「生き残った者の努め」として、戦争で散逸した戸籍の回復に尽力。杉子も、平和教育活動に積極的に参加するなど、社会的弱者に常に心を寄せ、世の中の不条理に憤る、凛とした芯の強い人だった。