ステロイドにNOを!『赤ちゃん・子どものアトピー治療』

ステロイドにNOを!『赤ちゃん・子どものアトピー治療』

1,650(税込)

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内容成人まで引きずらせない赤ちゃん・子どものアトピー治療とは? 子どものアトピー性皮膚炎に長年取り組んできた医師が、だれもが安心して治療できる方法をカラー写真もまじえて具体的に示す。子どもが成人型アトピーにならないように、脱ステロイド・脱保湿の道を探る。Q&Aコーナーでは、さまざまな事例と対処方法を紹介!

本体価格:1500円+税/頁/A5

著者:佐藤健二 佐藤美津子

目次:カラー口絵 はじめに  ■本書の読み方
第1章 親の不安を乗り越えて、よくなった子どもたち
 1 顔のズルズルがよくなったEちゃん(カラー口絵:写真5枚)
 2 耳切れを心配されたOちゃん(カラー口絵:写真7枚)
  ■この本に出てくるからだの部位とアトピーの出やすい場所
第2章 アトピー性皮膚炎はどんな病気?
 1 わかりにくいアトピー性皮膚炎の定義
 2 アトピー性皮膚炎の判断基準と典型的皮疹
 3 アトピー性皮膚炎のその他の皮疹(カラー口絵:写真7枚)
  ①カサカサ、鳥肌 ②紅斑と丘疹 ③局面型湿疹
  ④貨幣状湿疹 ⑤リング状紅斑(白癬様)
  ⑥痒疹 ⑦耳切れ ⑧尋常性魚鱗癬
 4 年齢で、皮疹の形態・分布が変化
  ●乳児湿疹(2か月~1歳末頃まで)
  ●小児湿疹(1歳末頃~10歳頃まで)
  ●思春期成人期湿疹(10歳頃以降)
 5 皮疹を新たに作る要因
  ■入浴過多 ■温度調節不良 ■細菌ウイルス感染
  ■皮膚老廃物の蓄積による皮膚障害
  ■異常な親子関係によるストレス
 ■次の子どもが生まれること ■非ステロイド外用剤を保湿目的に多用
 6 すでにある皮疹が悪化する要因
  1)悪化の要因と解決策
   ①全身管理と関係がある場合 ②環境に関係がある場合
   ③心理に関係のある場合 ④皮膚に関係がある場合
  2)掻破抑制
  3)食事制限
 7 ステロイド外用の局所副作用と、よく起こる病変
  ①ステロイド美肌(光沢) ②ステロイド?瘡
  ③ステロイド潮紅 ④皮膚萎縮 ⑤多毛
  ⑥細菌・真菌・ウイルス感染 ⑦ステロイド効果減弱反応
  ⑧ステロイド依存性皮膚症 ⑨保湿依存症
  ⑩ステロイド外用を中止した時の皮疹
 8 アトピー性皮膚炎の発症率
 9 アトピー性皮膚炎の有病率
 10 鑑別診断
  ①脂漏性皮膚炎 ②新生児?瘡
  ③汗疹
  ④伝染性軟属腫 ⑤伝染性膿痂疹 ⑥蕁麻疹
  ⑦接触皮膚炎
  ⑧皮膚カンジダ症
 11 病気の原因
  ■アトピー性皮膚炎の原因がIgEアレルギーでない根拠
  ■ヘルパーT細胞(Th1、Th2、Th17)について
  ■易感染性と自然免疫について
 12 治療
  1)小児期でのステロイド外用の問題
  2)治療の一般的原則
  【優しい入浴】
   ①入浴について ②入浴に関連しての問題
   ③皮膚の常在菌とは
   ④頻回の入浴による皮膚の恒常性の破壊
   ⑤早期からの持続的保湿による危険
   ⑥皮膚感染症による皮疹の悪化 ⑦実際の入浴方法
  【保湿は必要最低限に】
  【体温調節は少し涼しめに】
  【子どもの掻く動作の邪魔をしない】
  【離乳食の開始】
  【食事制限なし】
  【湿疹のない子と同じように育てる】
  【サプリメントは使わない】
  【漢方には頼らない】
 13 予後(治療後の経過)
 14 予防
  a)妊娠中に母親がすべきこと
  b)出産後に母親がすること
  c)出産後、子どもにすること・しないこと
 15 小児における、成人型アトピー性皮膚炎
  【離脱時の看護(ケア)のまとめ】
  【ガーゼによる保護の方法】 赤ちゃん・子どものアトピー Q&A
 (カラー口絵:写真11枚)
  ■湿疹で受診する時に、伝えることをまとめていきましょう
  ■ステロイドを塗った方は、次の項目もまとめましょう  Q&A(全46問)
  ■インフォームドコンセントのために あとがき

佐藤健二:1947年大阪に生まれる。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院、名古屋市立大学病院、公立学校共済組合近畿中央病院を経て、現在大阪府松原市の阪南中央病院に在職。米国ミシガン州立大学発癌研究所へ2年間留学。日光で皮膚癌を生じる色素性乾皮症の研究に携わり、紫外線対策に取り組み、保育・教育施設への普及に尽力する。成人型アトピー性皮膚炎の治療にもかかわり、一般的な治療法とは異なる脱ステロイド脱保湿治療に取り組んでいる。著書に「患者に学んだ成人型アトピー治療 脱ステロイド・脱保湿療法」(つげ書房新社、2008年)

佐藤美津子:和歌山県みなべ町生まれ.大阪大学医学部卒業後附属病院にて研修。その後大阪府衛生部母子保健係、阪南中央病院小児科を経て、1997年11月大阪府堺市に佐藤小児科を開院。赤ちゃんや子どものアトピー性皮膚炎に対し、ステロイドを使わない治療を実践。更に2005年から「食」の大切さを広めていくために、渡辺栄養士の協力で「わいわいトーク」という栄養相談の場を設けて活動している。また赤ちゃんや子どものアトピー性皮膚炎が治るには「食べる」ことが重要であり、栄養士による出前料理教室を実践するなかで多くの成果をあげている。

読者の声:こどもにアンテベートをぬりつつ、突然、「ステロイドのせいで、アトピーが悪化!?」という思いにかられました。ネットで検索して「脱ステロイド」にふみきった人の多さに驚きました。「とりあえず、ステロイドはやめよう。でも、どの治療法を信じたら?」最終的に、佐藤健二先生を信じることにしました。きめては、創傷治療の場で、やはりこれまでの「常識」を覆した「湿潤療法」も視野にいれ、アトピーへの対処方法を述べていらっしゃったことです。この本が届く前に、いっきにステロイドをやめてしまったため、こどもは全身に発疹がひろがり、かゆさで夜中に絶叫する日もありました。「やっぱり、ステロイドぬろうか」とまよいもしました。でも、本が届いて、ほっとしました。「このまま、がんばろう」と前向きになれました。アトピー以外の湿疹などについての、ステロイドをつかわない対処方法も書かれています。お子さんの湿疹が気になったら、小児科・皮膚科に行く前に、ぜひこの本を読んでほしいです。 なお、こどもは1才のときに、アトピーと診断され、ワセリンと「弱」ステロイドのキンダベートの混合剤をだされました。それから、5年。医者も4回かわりましたが、アトピーの範囲はどんどんひろがり、ついには「強」ステロイドのアンテベートが常用となりました。医者には、「おかあさんの塗り方が悪い」と叱られ、こどもには「いつ、なおるの?」と聞かれ、つらかったです。ステロイドも保湿もやめたいま、皮膚は徐々に赤みがへり、白いかさかさ状態になりました。こどもは「もう、薬はぬらない」「いつか、かゆくなくなって、つるつるになるよね」と、がんばっています。